マイクロプラスチック
5mm以下のサイズになったプラスチックのこと。
「マイクロプラスチック」という言葉が一般的に使われるようになったのは、2004年サイエンス誌に「Lost at Sea: Where Is All the Plastic?」というタイトルの論文がでたことがきっかけ。近年、国外ではヨーロッパを中心にマイクロプラスチックの認識が浸透している。日本国内では、2018年後半よりマイクロプラスチック関連のニュースが頻繁に報じられるようになり、関心が高まりつつある。
プラスチックは自然分解されずに半永久的に残るという特徴があり、ポイ捨てやゴミ処理施設へ輸送される過程で環境中に出てしまった使用済プラスチックは、雨で流され最終的に海に流れ着き、紫外線や波の影響で劣化してマイクロプラスチックになる。
マイクロプラスチックのもとになるプラスチックの代表的なものとして、下記が挙げられる。
- ポリスチレン(PS)…ハンガー・食品用トレイ・プリンターなど
- 高密度ポリエチレン(HDPE)…バケツ・洗剤ボトル・屋外玩具・灯油タンクなど
- 低密度ポリエチレン(LDPE)…レジ袋・ラップ・紙パック飲料などの内外面など
- ポリ塩化ビニル(PVC)…クレジットカード・ホース・水道管・合成皮革など
- ポリエチレンテレフレタート(PET)…ペットボトル・卵パック・包装フィルム・衣類の繊維
- ポリプロピレン(PP)…ストロー・ペットボトルキャップ・文具・医療器具など
プラスチックに使われる添加物には有害性が指摘されるものもあり、マイクロプラスチックになっても残留する。また石油から作られるプラスチックは汚染物質を吸着しやすい性質があるので、海を漂う間に海洋生物が汚染物質を吸収して環境に悪影響を与えている。
非常に小さいものは、海に住む生物がエサと間違えて食べてしまい、魚の体内に有害物質が蓄積していき、一部は魚を食べた鳥や人間の脂肪に溶け込んで体内に悪影響を及ぼすことが考えられる。
マイクロプラスチックによる海洋汚染は、年々深刻化していることがわかっており、ごみ発生量などをもとに予測した結果によると、何も手を打たなければ20年後には海へのプラスチック流入量は10倍に、そして30年後にはプラスチックの量は魚の量を超えてしまうとも言われている。
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