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一石九鳥の「古着deワクチン」。企業とのコラボレーションで支援拡大中!

2020年08月04日 日本リユースシステム株式会社
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家庭から出る不用製品のうち「衣類・服飾品(ブランド品を除く)」は「書籍」に次ぐ第二位。ネットオークションやフリマアプリの活用、古着回収店舗が増えたことで衣類をリユースする意識は以前と比べて高まっていますが、それでも約6割の不用衣類が自宅・物置等に保管されたままで、残り4割のうち約15%がゴミとして排出されています(※1)。

これらの課題に目をつけ「古着のリユースを活用した社会貢献ができないか」と考えたのが、日本リユースシステム株式会社(以下、日本リユースシステム)です。

同社が提供する「古着deワクチン」は、古着のリユースと社会貢献を両立するサステナブルな取り組みで、SDGsの目標3「すべての人に健康と福祉を」のほか、目標1、5、8、10、12、13、16、17と合計9つもの目標を同時に達成できる画期的なサービスです。

今回は「古着deワクチン」の具体的な取り組みと、これからの展望についてご紹介いたします。

お部屋を片づけることが社会貢献につながる「古着deワクチン」とは?

「古着deワクチン」は、不要な衣類やバッグ、靴、服飾雑貨を送ることで、お部屋を片づけながら、世界の子どもにワクチンを贈ることができるサービスです。

まず、古着を送るための専用回収キットが一口注文される度に、5人分のポリオワクチンが開発途上国の子どもたちへ寄付されます。さらに、この回収キットの製造・封入・発送については福祉作業所に委託しており、国内の障害者雇用を創出すると同時に、開発途上国に送られた衣類の選別・販売など現地にもビジネスと雇用を創出しています。

専用回収キットの封入・発送作業を、福祉作業所に依頼。
国内の障がい者の方のお仕事にも繋がっている。
専用回収キットの封入・発送作業を、福祉作業所に依頼。
国内の障がい者の方のお仕事にも繋がっている。

「ゴミの削減」「古着のリユース」「開発途上国の子どもの命を救う」「国内外での雇用創出」など、一つのサービスで複数の社会貢献を兼ねており、それらが持続可能な仕組みとして継続している点が大きく評価され、日本リユースシステムは、第3回ジャパンSDGsアワードにて特別賞である「SDGsパートナーシップ賞」を受賞しました。

ポリオワクチンを届けることで、開発途上国の子どもの命を救う。

「古着deワクチン」では、2010年11月の活動開始から2020年6月までに、累計で20,291,400着分の衣類を再利用し、2,534,173人分の「ポリオワクチン」を寄付しています。ワクチンは、認定NPO法人「世界の子どもにワクチンを 日本委員会」を通じて主に、ミャンマー、ラオス、ブータン、バヌアツの子どもたちに届けられます。

着分の衣類を再利用し、「ポリオワクチン」を寄付

ポリオはウイルスが脊髄に入ると手足に麻痺が残り、場合によっては命を落とす恐ろしい病気です。日本では1960年に5000人以上の患者が発症する大流行となりましたが、その後ワクチン接種を徹底し1981年以降新たな患者は出ていません。しかし、そもそもワクチンのない南西アジアやアフリカなどではポリオが依然として流行しており、多くの子どもが命を落としていました。これらの課題を解決するため「古着deワクチン」のサービスが生まれたのです。

日本リユースシステムでは、医療従事者が不在であっても簡単に多くの子どもたちにワクチンを接種することができることから、注射型のワクチンではなく、経口の生ワクチンを寄付しています。実際にワクチンを届けた村からは「ワクチン接種を受け入れてから、病気で死亡する子どもが減りました」「ワクチンによって子どもたちは元気に成長しています」などの多くの感謝の言葉が届いています。

ラクに、気持ちよく古着を手放す。

「古着deワクチン」では、多くの子どもの命を救うためにも、まずは利用者が取り入れやすいサービスになるように工夫しました。

一般的には、古着を「リユース」するためには、リサイクルショップへ持っていく、オークションアプリで出品する、自治体の回収へ持っていく、などの方法がありますが、どれも時間や労力を必要とするため、忙しい方や運搬手段を持たない方にはハードルが高く、古着が家で眠ってしまう傾向にありました。

そこで「古着deワクチン」では、利用者が「面倒だ」と感じる作業を全て無くし、誰でも簡単に古着を送れる仕組みを作りました。利用者はまず、ネットから専用回収キットを注文します。回収キットが届いたらその中に衣類等を詰め、専用着払い伝票を貼付し宅配業者に集荷を依頼するだけです。

「古着deワクチン」専用回収キット

利用者は、古着を廃棄する罪悪感を払拭し、次に誰かに着てもらえることや、子供の命を救うワクチンの寄付につながることで、気持ちよく古着を手放すことができるのです。現在は、利用者の7割がリピーターとなっています。

SDGs活動の一環として複数企業とコラボレーション。

「古着deワクチン」の継続的な活動は次第に認められていきました。様々な表彰を受け、複数のメディアへ取り上げられることで認知度が高まると、企業からの問い合わせや相談が増えていきました。近年CSRやSDGsという言葉がメジャーとなり、企業の社会的責任が問われる中で「古着deワクチン」のサービスを社内へ取り入れたいと考える企業が増えたのです。

そこで日本リユースシステムでは、趣旨に賛同いただいた各企業へ「古着deワクチン」の提供を決め、現在は3社が「古着deワクチン」の姉妹商品を取り扱っています。その他、社内イベントや商業施設のイベントに「古着deワクチン」を取り入れてもらうなど、企業に対するサービス提供が進んでいます。

様々な企業とのコラボレーションを経て、大きな発見がありました。

例えば、通販業では新規集客や既存顧客の満足度アップに繋がり、商業施設でのイベントに取り入れると、来場者数の増加に繋がります。社内活動として利用する企業では、SDGs活動の推進と、社員のモチベーションアップに寄与しました。

個人の方だけでなく、企業にSDGs活動として「古着deワクチン」を取り入れてもらうことで、より多くの支援に繋がります。日本リユースシステムでは現在、様々な企業に対応した支援ができるよう計画中です。

現地古着選別販売

平等に医療・福祉が受けられる持続可能な社会に貢献するため、日本リユースシステムでは「古着deワクチン」の認知を広げる努力を続けています。「古着を廃棄しようと思っている」「もう着ない服が家に眠っている」という方は、この機に古着の活用方法について考えてみてはいかがでしょうか。

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